国内の各地域が東京の一極集中に歯止めをかけるため、それぞれの特徴を生かして持続的な社会を作ることを「地方創生」と定義するなら、TOYAMATOがめざす「地方覚醒」はまったく異なる概念を持つ。そこでは自治体や行政が主導するのではなく、富山を愛するマインドを持った多くの人たちが富山の魅力を再発見し、誇りに思い、みずからの意思で世界中へ発信していく。あくまでも主役は「人」であり、さまざまな人が混ざり合う多様性が、富山の魅力を高めていくと考える。
TOYAMATOの主役のひとり、株式会社アトム代表取締役の青井茂氏は、丸井デパートの創業者である青井忠治氏を祖父にもつ実業家だ。東京生まれだが、大学時代に初めて富山を訪れた時、その豊かな文化や恵まれた自然にたちまち心を奪われた。そして、富山こそ新しい文化を生み出すのにふさわしい肥沃な土壌であることを確信。現在、同じ想いを持つ仲間とともに、富山の新たな価値創造に本腰を入れて尽力している。
仲間のひとりである石川歩氏は、千葉ロッテマリーンズのエース投手。富山生まれの富山育ち、揺るぎない郷土愛を持つ彼は、昨シーズン終了後にメジャーへ挑むことを公表した。夢の実現に向けて、アスリートが挑戦し続ける姿はすべての人に勇気と感動を与えるものだ。「自分が頑張る姿を見せることが、富山の人たち、特に子ども達や若い人へのエールになるなら。TOYAMATOを発信の場として、たくさんのメッセージを届けたい」と石川氏は意欲的だ。
また、富山で135年の歴史を持つ北日本新聞もTOYAMATOの仲間。新聞社ならではの情報力や発信力、そして地域密着のローカル力は富山の魅力を発掘し、世界へ発信するための最強の武器となる。「僕たちがめざすのは、富山を世界一ワクワクする街にすること。文化や歴史、大自然など、富山が持つ“財産”を最大化して、たくさんの人に富山の魅力を伝えたい」と青井氏。TOYAMATOでは業種や業界の垣根を超えて、さまざまな人が富山を舞台に豊かな物語を紡ぎ出す。いよいよ2020年1月、その第一歩がはじまる。